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第1部 ICTだけに頼らない!営業改革の進め方(クリックして開く)
アジェンダ
1.営業現場の現状
1-1.営業力の強化に向けた各社の取り組み
営業強化の為の主な施策
1-2.営業に対する誤解
誤解①営業は「職人」ではない!
よくある、営業担当に対する全体教育のメニュー
- 挨拶や名刺交換の作法
- 商品(商材)のレクチャー
- ゲーム感覚のロールプレイ
後は、“OJT”と称して現場任せ。
でも、教育・指導を任されるOJTリーダーも自己流…その中で「背中を見て覚えろ!」って…
そんな状態で、
「何をやっても営業力が向上しない」
と嘆いていませんか??
誤解②営業は「数字さえ上げれば良い」訳ではない!
リピートや口コミなど、「売った後」の既存顧客が次のビジネスにつながる。
つまり、「売った後」社内の全ての部門がHAPPYにならなくてはいけません。
そのために「営業」は…
- 会社を代表したお客様の窓口として
社内外の円滑な情報連携と共有、を図る事 - そして、関係部門に極端な無理を強いず、各々の評価にも繋がる
利益確保&要望を丸呑みせず、受注をとってくる事
1-3.なぜ、何をやっても営業力が強化できないのか…
多くの会社が営業力の強化に向けてICTの整備や評価方法の見直し等に取り組むものの思う様な成果が上がらず、
他方で営業に対する誤解が払拭されない原因は「基本となる営業モデルが存在しない」事にあります。
【散見される具体例】
- 簡単な営業プロセスしかきまっていない。
- 確認事項の簡単なチェックリストしかない。
- 決まりはあっても、営業担当の行動指針になっていない
- 誰も決まりに沿って行動していない…
自社の「基本となる営業モデル」(営業の進め方)が、存在していなければ…
如何なる施策を講じても、効果は限定的
1-4.基本となる営業モデルが存在しないと…
例えば…
「お客様」って、誰ですか??
セールス分類 | アプローチの相手 |
---|---|
出来る営業 | ・最終決定者は? ・キーパーソンは? ・情報提供者は? ⇒「行くべき相手」にアプローチしている |
出来ない営業 | ・アポが取り易いのは? ・気を遣わないのは? ・よく話してくれるのは? ⇒「行きやすい相手」にアプローチしている |
1-5.トップセールスと出来ない営業の違い
出来ないセールスは、情報窓口としての重要性や条件交渉の重要性を知っているダケ。
出来るセールスは、自分なりの「勝ちパターン」をもっている。
2.営業改革の方向性
2-1.営業力を強化に向けた3つの方向性
前述の「2-6-2」分布を使った3つの方向性の説明
営業力を強化したいなら、まず
出来ない営業グループの底上げに焦点を!
2-2.下位グループの底上げを実現する為の考え方
営業活動のモデル化は、営業の進め方を職人の様に個々の営業任せにしない為に、
社内の出来る営業の行動をモデル化
して、出来ないセールスの行動に活かす(展開して定着化を図る)為の取り組みです。
2-3.下位グループの底上げに向けて…「目指すべきゴール像」
基本となる営業モデル(基盤)のもと、ICTや社内会議などを活用して
状況の共有とサポートの循環サイクル
を確立することがポイントです。
2-4.基本モデルの検討ポイント
(1)モデル化のターゲット
基本モデルは他社の成功モデルを模倣しても機能しない。
故に「自社の営業の中から『ターゲット』を定めて、基本モデルを検討する事」が欠かせない。
この際のポイントは
トップセールスをターゲットにしない事!
むしろ「中の上」が現実的なターゲット!!
(2)検討の観点
基本モデルとして規定する内容は営業担当の業務と同じ
- お客様対応
- 社内対応
- 情報アクセス
- 判断と決定
(3)検討範囲
基本モデルは、①営業シナリオや、②各ステージの要件・条件、③手法や手順(HOW TO)で構成される。
しかし、手法や手順(HOW TO)レベルに関心が集まるが、具体化しきれずに検討を頓挫するケースが少なくない。
この様な場合、
基本となる営業シナリオとそれぞれの状態の要件・条件の具体化
が肝要といえる。
2-5.営業シナリオと達成すべき要件・条件の検討例
3.定着化を図るには…
3-1.基本モデルの定着化に欠かせない3条件
基本モデルは作成しただけでは効果がない。
むしろ、作成後の定着化に向けた取り組みが重要といえる。
【三位一体の改革推進】
- ICT整備
報告手段の統一と共有情報の一元化 - 教育
当事者の理解&納得と継続的なブラッシュアップ - 社内制度改革
組織的に対応し得る社内ルールの確立
3-2.当事者の理解と納得を得る為に…
知らない | 知ってる | 理解してる | 納得してる |
---|---|---|---|
基本モデルが認知されず、各営業が自己流の状態 | 基本モデルの内容を知識として記憶しただけ | ・基本モデルの応用 ・背景の理解 ・他人への説明が出来る状態 | 基本モデルに沿った行動の重要性や効果を実感した状態 |
営業改革の要諦は
当事者の意識改革にあり!
3-3.社内の共感を得る為の「成果の見える化」には…
社内の共感を得るには「成果の見える化」が欠かせない。
その為には、
いきなり全社展開しない!
先ずは「パイロット導入」を経た展開シナリオこそ現実的!!
4.最後に…(第1部の総括)
まず「業務ありき」で考える!!
基本となる営業モデルを明確にしないまま、SFAやCRMを導入しても効果は殆ど得られません。
また、日々の営業活動の「道標」になり得ない、単なるマイルストン(商談の進捗)だけを規定しても、何ら効果はありません。
先ずは、業務ありきで「基本モデル」を定義する事が、営業改革には避けては通れません。
「仏」を作って終わりではない。むしろ…仏に魂を入れる作業が重要!!
仏(=基本モデル)を作っても、それだけでは営業改革は進みません。
むしろ、仏となる基本モデルをベースに、ICT整備や教育プログラム、社内制度の見直しを通じて、三位一体の改革を進め、
営業の循環サイクルを円滑に運営できる環境を整える事が重要です。
その上で、基本モデルの理解者・賛同者を増やす意識改革こそ、営業改革の要諦です。
最後に、多くの会社に当てはまる点ですが…自分の会社を「特別視」しない!
正しく「案ずるより産むが易し」です。
私たちが聞く事の多くは「…でも、それは他所でも普通にある事」です。
CIOパートナーズ株式会社
代表取締役 吉田明弘
第2部 案件情報・得意先情報の管理のポイント(クリックして開く)
アジェンダ
1.得意先情報管理の遷移
顧客管理システム(CRM)・営業支援システム(SFA)の導入に伴い、
企業の情報システムでは既存の取引先情報だけの管理から、見込み客を含めた得意先の管理が求められるようになった。
会計システム中心の得意先管理
取引のあるお客様の基本情報・契約情報及び実績情報を管理すればよかった。
これに加え、
CRMが目的とする得意先管理
お客様に関わる情報を一元管理することで、お客様と接触する全ての社員が、会社がお客様に対してどのような取引を行いどう対応してきたのかが一目瞭然であること。
SFAが目的とする得意先管理・案件管理
既存顧客や見込顧客に対する営業活動に関連する情報を記録・管理を行い、過去の商談の履歴や、現在進行中の案件の進捗状況、営業活動を通じて入手した重要な情報、アポイントメントや期限といったスケジュールなどを一覧したり編集することができること。
2.SFAにより管理項目が増える得意先情報・案件情報
3.なぜ、SFAが期待した成果を上げれられないのか
SFAは、予め標準的な得意先情報・案件情報データベースを準備して、
さらにユーザーのニーズを取り入れた運用の為カスタマイズも行い、ユーザーに導入されている。
しかしながら、期待された成果を上げているといった話はなかなか聞かない。
4.案件情報管理・得意先情報管理からみた現在のSFAの課題と対応
4-1.営業プロセスの明確化・詳細化がされていない。
営業シナリオ(商談の進捗)と、営業プロセスを混同しているケースが多い。
商談の進捗と営業プロセスを明確に分けて、管理・運用することが重要です。
【ポイント1】
- 検討した基本モデル【営業プロセス】を使って、「いつ」「誰に」「何を」報告するのかを明確にする。
- 組織としての営業のやり方を整理し、今までの「臨機応変なその場対応」から「目的を持った計画的活動」に、「結果重視の管理」から「プロセス重視のマネジメント」に変わることが求められている。
4-2.営業プロセスと紐づいた商談の進捗管理ができていない。
営業プロセスと紐づいた商談の進捗管理ができていない。
また、同時並行に行われる複数の営業プロセスの管理ができない。
【ポイント2】
- SFAへの入力手段を統一し、営業プロセスは独立した管理項目として入力を行う。
- 商談の進捗プロセス毎の営業プロセスの実施をもってシステムで自動設定する。
4-3.テキスト情報が主体の作業報告。
営業のプロセス定義がない為、具体的な作業報告は、営業日報として案件情報にテキスト情報を入力して報告を行う結果になっている。
また商談進捗及び確度の入力は担当者任せで、客観的な状況把握は営業日報を精読しなければ把握できない。
会議資料を日々の報告とは別に作成しているため、1案件で様々な資料を複数作成している。
【ポイント3】
- 案件情報の報告入力はできるだけ項目を選択して入力できるようにする。
- SFAに蓄積された得意先情報・案件情報を元に社内の会議(営業会議・受注見通しの検討会議など)を運営する。
4-4.得意先情報・案件情報の入力・管理ルールが不明確
得意先情報・案件情報入力が営業担当者任せになっており、最新の情報が登録されているかどうか定かではない。
また入力業務自体が営業担当者の業務負担増に繋がっている。
【ポイント4】
- 得意先情報・案件情報は可能な限りSFAを使って保管する。
- 得意先情報のうち、得意先の「基本情報」、「財務情報」等は、更新時期を定め営業事務メンバーで実施し、営業担当者の業務負荷軽減を図る。(市販情報を購入することも有効)
- 得意先情報・案件情報の入力は報告入力と連動し、テキスト入力ではなく項目の選択を基本とする。
- 受注だけでなく失注案件についても、失注理由等まで記載して案件情報を終了させる。
5.SFAと会計システムとの得意先情報・案件情報の連携
- 会計システムとSFA間の得意先情報・案件情報のデータ連携は難しい。この為、受注後取引開始に先立って得意先情報を基幹系システムに再登録するケースが多い。
- 得意先情報のコード体系は、会社としての管理体系を定め、導入前よりこれに沿ったコード整備を進めていく事が必要。
問題点 | 会計システム | SFA |
---|---|---|
データの管理メッシュが異なる | 既存取引先が基本 契約情報、請求回収情報が基本 | 見込取引先等、まだ取引を行っていない 得意先も含む様々な情報 |
コードの管理体系が異なる | 法人格単位での設定 産業分類単位での設定 | 拠点(ターゲット)単位で設定 |
物理的なコード長が異なる | 既存システムの変更は難しい | パッケージ仕様であり変更は難しい |
組織・法人格・企業グループの関連付け 方法が異なる | 関連付けを行って管理 得意先・請求先・入金先等を使い分けて 運用しているケースもある | 関連付けできない場合が多い |
データ登録時の注意点 | 重複登録を防止するためのチェック機能 申請による登録・承認プロセスが必要 追加情報(請求回収条件)等の追加登録が必要 | CSVによるデータ移行が可能と謳ってい るが、データの加工が前提条件。 |
【ポイント5】
- 会計システムとSFAでは、コード体系・管理項目も異なるため、導入前から得意先データの取り扱いについては基本ルールを定めておく。
- 会計システムとSFAでは、得意先情報の内容も目的も異なる。さらに管理項目としてはSFAの方が多い。このため、得意先情報・案件情報管理はSFAで行うことが合理的。
- コード体系が異なる場合が多いので、会計システムとSFA間でのデータの関連付け方法は事前に策定する。
- データ連携が必要な場合は、会計システム側で何をする(目的)ために、どのようなデータが必要かを検討し、データ連携の仕様を決める。
6.最後に…(第2部の総括)
まず「業務ありき」で考える!!
基本となる営業モデルを明確にしないまま、SFAやCRMを導入しても効果は殆ど得られません。
また、日々の営業活動の「道標」になり得ない、単なるマイルストン(商談の進捗)だけを規定しても、何ら効果はありません。
先ずは、業務ありきで「基本モデル」を定義する事が、営業改革には避けては通れません。
「仏」を作って終わりではない。むしろ…仏に魂を入れる作業が重要!!
仏(=基本モデル)を作っても、それだけでは営業改革は進みません。
むしろ、仏となる基本モデルをベースに、ICT整備や教育プログラム、社内制度の見直しを通じて、三位一体の改革を進め、営業の循環サイクルを円滑に運営できる環境を整える事が重要です。
その上で、基本モデルの理解者・賛同者を増やす意識改革こそ、営業改革の要諦です。
最後に、多くの会社に当てはまる点ですが…自分の会社を「特別視」しない!
正しく「案ずるより産むが易し」です。私たちが聞く事の多くは「…でも、それは他所でも普通にある事」です。
CIOパートナーズ株式会社
代表取締役 吉田明弘